Express Connectを無償で使う

この記事は Alibaba Cloud の日本サイト の環境(ドキュメントやアカウント、そのアカウントでの検証結果)に基づいて記載しています。 日本サイトと国際サイトでは各プロダクトごとに提供機能が一部異なることがあります(そのほとんどは国際サイトの方が日本サイトよりも多機能になっている)。記事の内容は適宜最新化する予定です。

今回はExpress Connectを無償で使ってみます。 2月25日の価格改定で同じリージョン内のVPC間接続の価格が無償となったとのこと。 早速試してみます。

テスト環境は以下。 東京リージョンの2つのVPCにECSを配置し、pingによる疎通確認および「NTTTCP」によるスループットのテストを行います。

テスト結果を先にお伝えすると無償で購入OK、Ping疎通もOK、スループットは2Gbpsを超えて2.6Gbpsを確認できました。

Express Connectの購入

ネットワークサービスメニューから、”Express Connect”をクリックします。

”ピアリング接続の作成”をクリックします。

所定の項目を選んでいきます。 価格が0円となっていることを何度も確認してしまいます。 間違って何万円、何十万円も課金が発生したら大変ですよね。

今回は日本(東京)リージョンの中の2つのVPCを2Gbpsで接続します。無償ですが期間は1か月、自動更新は無効としました。

次は注文の確認です。 費用が0円であることを再確認します。 また、”利用規約とSLAに同意する”をチェックし、支払いボタンをクリックしましょう。

支払いの最終確認です。

購入完了後の画面です。

コンソールで確認します。あっさりと出来上がりました。 

Static Routeの追加

VPC間は接続されましたが、接続先のVPCへのRouting情報を持っていません。

Static Routeを追加していきましょう。 ”ルート設定”をクリックします。

”ルートエントリの追加”をクリックします。

ここでは宛先のCIDRを指定します。 接続先のVPCのCIDRを指定しましょう。なお、一般的なStatic Route設定時に指定するGWの指定はありません。自動設定されます。

”172.24.0.0/16”宛のStatic Routeが追加されました。 ネクストホップインスタンスには接続先のVPCが自動的に定義されたことを確認できます。

次は、受信側のVPCにもルートを設定します。 ”ルート設定”をクリックします。

”ルートエントリの追加”をクリックします。

先ほどと同じように接続先のVPCのCIDRを指定します。

”10.10.10.0/24”宛のStatic Routeが追加されました。 ネクストホップインスタンスには接続先のVPCが自動的に定義されたことを確認できます。

VPC間の疎通を確認(Ping)

相手のECSインスタンスにPingを実行します。

172.24.214.100のIPアドレスを持つECSから10.10.10.100のIPアドレスを持つECSへPingを実行し、正常に応答があることが確認出来ました。

今度は、10.10.10.100のIPアドレスを持つECSから172.24.214.100のIPアドレスにPingを実行します。 問題ありませんね。

VPC間のスループットを測定(NTTTCP)

スループットの測定にMicrosoftさんが公開しているツール”NTTTCP”を利用します。 手順等は以下のMicrosoft Azureの公開ドキュメントを参考にしました。

URLはこちら

それでは実行してみます。あれ?? 1Gbpsが上限となっています。まさか、Express Connectの2Gbpsは送信1Gbps+受信1Gbps=2Gbpsということでしょうか? 

勿論、そんなことはありません。 ”ECSのネットワーク帯域の上限に達していた”が上記挙動の答えになります。  マニュアルを確認してみます。

URLはこちら

今回テストで利用したECSはg5シリーズの”ecs.g5.large”です。 帯域幅は1.0Gbit/sです。 この帯域幅がボトルネックとなったわけです。

テストのために、ECSインスタンスをアップグレードすることにします。 コンソールからECSを停止し、”インスタンスの仕様を調整する”を実行します。

2Gbps以上の帯域幅をもつインスタンスタイプへアップグレードします。今回は”ecs.g5.2xlarge”にします。 テスト用のECS、2台ともアップグレードします。

それでは、再度NTTTCPでスループットをテストします。 2.6Gbpsですね。 Express Connectの2Gbpsを超えて、ECSインスタンスタイプの上限2.5Gbpsがボトルネックとなっている感じでしょうか。

せっかくなのでより帯域幅に優れたECSインスタンスタイプでテストしたいと思ったのですが早々に断念しました。

以下のインスタンスタイプは帯域幅が5Gbpsから30Gbpsとテストに最適なのですが、従量課金に対応していません。 5Gbpsのecs.g5.4xlargeをサブスクリプションで購入する場合は48,910円/月です。ecs.g5.16xlargeは194,190円/月です。ちょっと気楽に購入できる金額ではありませんでした。

以上