Azure の資格を全部とった話 #AI-900に合格編

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Azure の AI 領域に関する Fundamentals 試験、AI-900 を受けて来ました。 約1年前に上位試験となる AI-100 は受験し合格しています。 今回、AI-900 を受験した理由は4つあり、1つ目の理由は1年前の AI-100 からの知識の再確認&再構成、2つ目は2021年3月20日に G検定を受験していたことから1つ目同様に Azure の AI 領域の Update、3つ目は元々 AZ-140 を受験することを決めていた中せっかくテストセンター行くのであればついでに AI-900 と DP-900 も受けること、最後の理由は今後周囲の人に AZ-900がお勧めだよ、AI-900がお勧めだよ、DP-900がお勧めだよ、と言いたい時に実体験をもとにしてメリットや受験の前提となる知識レベルを明確に伝えることができるだろうという期待がありました。

AI-900 の概要

AI-900 は試験の名称です。この試験に合格すると Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals に認定されます。 認定によっては複数の試験の合格が前提となるものもありますし、今回の Azure AI Fundamentals のように1つの試験だけで認定されるものもあります。 

試験の概要は以下の公式ページの通りですが、機械学習(ML)と人工知能(AI)の概念と関連する Azure サービスの基礎知識を問われる試験となります。 これはまさにその通り、ML と AI については概念レベルの出題となり、具体的・専門的な内容はほぼ問われません。 また、Azure で ML / AI を実現する方法は色々ありますが、プロダクト・サービスがどんなことを出来るか把握していれば回答可能な出題がほとんどとなっています。

Skills outline

試験の出題範囲は認定・資格に関する公式ページにある認定資格スキルのアウトラインから確認可能です。

この skills outline ですが、英語のみの提供です。 今回は手抜きですが、Google ドキュメントの翻訳機能を利用し、日本語化(PDFファイルを Google ドキュメントで開き、Google ドキュメントの翻訳機能で一括翻訳)したものをベースに紹介します。 Google 翻訳の結果をこちらで多少修正していますが、おかしいと思ったときは原文を確認ください。

まず、試験は大きく以下のブロックで提供されます。 %は出題全体に占める割合です。

  1. 人工知能のワークロードと考慮事項を説明する(15〜20%) 
  2. Azureでの機械学習の基本原則を説明する( 30〜35%) 
  3. Azureでの機械学習の基本原則を説明する( 30〜35%)  
  4. Azureでのコンピュータービジョンワークロードの機能を説明する(15〜20%)
  5. 自然言語処理(NLP)ワークロードの機能の説明  Azure(15〜20%) 

以下は5つの章の中身です。 実際の試験は以下の項目についてほぼ満遍なく出題されました。 先に書いた通り、ML/AI については概念レベルの理解でこの試験は問題ありません。 そして Azure が提供する ML/AI 関連のプロダクトが何を出来るのか把握していれば大体の問題には回答できると思います。

人工知能のワークロードと考慮事項を説明する(15〜20%) 

一般的なAIワークロードの機能を特定する 

∙ 予測/予測ワークロードを特定する 

∙ 異常検出ワークロードの機能を特定する 

∙ コンピュータビジョンのワークロードを特定する 

∙ 自然言語処理または知識マイニングのワークロードを特定する 

∙ 会話型AIワークロードを特定する 

責任あるAIの指針となる原則を特定する 

∙ 公平性 (fairness)

∙ 信頼性と安全性 (reliability and safety)

∙プライバシーとセキュリティ(privacy and security)

∙ 包括性 (inclusiveness)

∙ 透明性 (transparency)

∙ 説明責任説明 (accountability) 

Azureでの機械学習の基本原則を説明する( 30〜35%) 

一般的な機械学習タイプを 

∙ 回帰

∙ 分類 

∙ クラスタリング 

コア機械学習の概念を説明する 

∙ 機械学習用のデータセット内の特徴とラベルを特定する 

∙ 機械学習でトレーニングと検証のデータセットがどのように使用されるかを説明する

∙ モデルトレーニングに機械学習アルゴリズムがどのように使用されるかを説明する

∙ 分類と回帰のためのモデル評価指標を選択して解釈する 

機械学習ソリューションを作成する際のコアタスクを特定する 

∙ データの取り込みと準備の一般的な機能について説明する 

∙ 機能のエンジニアリングと選択について説明する 

∙ モデルのトレーニングと評価の一般的な機能を説明する 

∙ モデルの展開と管理の一般的な機能について説明する 

Azure Machine LearningStudioを使用したノーコード機械学習の機能について説明する 

∙automated ML UI

∙ azure Machine Learning designer

Azureでのコンピュータービジョンワークロードの機能を説明する(15〜20%)

コンピュータービジョンソリューションの一般的なタイプを特定する: 

∙ 画像分類ソリューション

∙ オブジェクト検出ソリューション

∙ セマンティックセグメンテーションソリューション 

∙ 光学式文字認識ソリューション

∙ 顔検出機能を特定する、顔認識、顔 分析ソリューションの

コンピュータービジョンタスク用のAzureツールとサービスを特定する 

∙ コンピュータビジョンサービスの機能を特定する 

∙ カスタムビジョンサービスの機能を特定する 

∙ Faceサービスの機能を特定する 

∙FormRecognizer サービスの機能を特定する 

自然言語処理(NLP)ワークロードの機能の説明  Azure(15〜20%) 

一般的なNLPワークロードシナリオの機能の特定

∙ キーフレーズ抽出の機能と使用法の特定 

∙ エンティティ認識の機能と用途を特定する 

∙ 感情分析の機能と用途を特定する 

∙ 言語モデリングの機能と用途を特定する 

∙ 音声認識と合成の機能と用途を特定する 

∙ 翻訳の機能と用途を特定する 

NLPワークロード用のAzureツールとサービスを特定する 

∙TextAnalytics サービスの機能を特定する 

∙ 言語理解サービス(LUIS)の機能を特定する 

∙ 音声サービスの機能を特定する 

∙ 翻訳者テキストサービスの機能を特定する 

Azureでの会話型AIワークロードの機能を説明する(15〜20%)

会話AIのためのケースを一般的な使用を識別する 

∙ ウェブチャットボットの機能と用途を特定

∙ 電話音声メニューの機能と用途を特定 

∙ パーソナルデジタルアシスタントの機能と用途を特定 

∙ 会話AIソリューションの共通の特徴は、識別 

会話のためのAzureのサービスを特定し 

AI∙ 特定の機能QnAMakerサービスの概要AzureBotサービスの機能を特定する

試験について

試験は 60分、問題数は40数問(正確には覚えていない)でした。 日本語での受験も可能で、今回の試験については特に日本語がおかしいところもなく英語分を確認することはありませんでした。

設問は文章も短く、サクサクと進めることが可能です。 15分位で終了することが出来ました。  と言いつつ、結果は 813 点と結構間違えています。

以下、試験結果のレポートです。 テストセンターで受験終了後に印刷されたものをいつも渡されていたのですが、実は PearsonVUE の Web サイトからいつでも PDF としてダウンロードできることを本日知りましたので、スクリーンショットで紹介します。  

出来が悪かったのはまずは基本原則のところ。公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティ、包括性、透明性、説明責任説明について、Microsoft および Azure としての原則を理解し、実際の場面にどう適合するか回答できる必要があります。 2つ目は自然言語処理。 どちらも勉強不足だったと思います。

当方のスキル・経験と試験の対策

約1年前に AI-100 は合格し、AI-900 を受験する丁度2週間前に G 検定を受験し合格しています。 ただ、実業務としての AI はほぼない(研修や PoC や自己学習のみ)、基本知識があるだけの状態です。

今回の試験にあたってはアウトラインを確認し、Azure のプロダクト・サービスで何が出来るかの確認を行いました。準備時間としては1時間位でしょうか。 ただ、上記のとおりスコアは 813 点あまりとよくありませんでした。

G 検定の準備の AI-900 への効果ですが、あると言えばありますが、 AI-900 のために G 検定の範囲を勉強することはあまり効率的ではないと考えます。 G 検定の方が問われる範囲が広く、深いためです。 AI-900 はもっと Azure に関連づいた内容となっている点で G 検定とは試験で問われる領域は被らないということです。

そんな中で言えることは、AI-900 は ML/AI の概念と Azure の ML/AI のプロダクトの対応、あとは Azure のAIに対する基本原則、この3つを抑えておけば pass することは可能だと考えます。 

仮に一から AI-900 の対策を進める場合ですが、マイクロソフトより無償の教育コンテンツが提供されています。先ほど、ざっくりと眺めてみましたが有用な内容でこの実施だけで AI-900 に必要な情報は網羅出来ていると考えます。  コンテンツとの中身も動画もあり、具体的な説明も多く、かなり優良でした。 3-4時間あれば以下の5つすべて学習できる分量も丁度良い感じです。

この試験・認定のメリット

まず、 ML / AI とは何か、その概要を理解し、例を交えながら人に伝えることが出来るようになります。 もちろん、高度な話や学術的な話は難しいでしょうが、基本は抑えられます。 そういう意味では営業職や様々な商材、技術を扱うセールスエンジニアな属性の方にはお勧めしたい資格、認定と言えます。

また、ML/AIに関する豊富なラインナップを持つ Azure で出来ること、出来ないこともある程度語ることも出来るようになると思います。 XXXなようなことであれば Azure の Computer Vison で今すぐ、低コストに出来ますよ、でも、XXXをしたい場合は専用の ML 、Deep Learning 環境の整備が必要でそのコンピュータリソースは Azure で提供できるけど専門のエンジニアが別途必要になるよ、など。 

あとは Azure で ML/AI の技術力を高めたいと考えている場合、最初のとっかかりとして有用です。 AI-900 を第一ステップに、次は AI-100 へ。その後は自分で GPU を搭載する Virtual Machine を利用し、Engine の構築から何からより深い領域へ進んでいくことも可能です。

以上