VPC の Network Performance 機能で Zone 間の Network Latency を確認

Alibaba Cloud の VPC の管理画面で Network Performace という面白い機能が追加されていましたので簡単に紹介します。 この機能を利用することでリージョン内の Zone 間の Latency 、そして リージョン間の Latency を簡単に確認することが可能です。 なお、何時からこの機能が利用出来るようになっていたかはちょっとわかりません。

Network Performance 機能へのアクセス方法

Alibaba Cloud にログインし、VPCの管理画面に移動します。 そして、左メニューの Network Intelligence > Network Performance をクリックします。

リージョン内の Latency の確認

以下は Japan (Tokyo) リージョンです。 Zone A と Zone B についてマトリックスと色で Latency が可視化されていあmす。

色は以下の通り、濃い緑色が5ms 以下、黄色やオレンジ色になるにつれ Latency の値は悪化していることがわかります。

色ではなく、数値で確認することも可能です。 右上の Display Latency のスライドボタンをONにします。

以下の結果を見る限り、Zone B内は 0.29ms、Zone A内は 0.52msなので後から追加された Zone B の方がネットワーク性能はよいことがわかります。 0.2ms の違いなんて無視してもよいのでは?という話もあるかもしれませんが、大量にトランザクションが発生するシステムではチリも積もれば山となるで結構性能差に顕れることがあります。

また、東京リージョンは Zone が2つしかありませんが、もっと沢山の Zone があるリージョンも見てみます。

以下、北京リージョンです。  Zone が10 もあります。また、一部、薄緑色もあります。 Zone H だけ他の Zone と離れているのかもしれませんし、Network の処理能力が劣るのかもしれません。 その理由はわかりませんが、この Network Performance 機能でいつでも定量的に確認できるということです。

Cross-Region の Latency

次は Cross-Region の Latency の可視化です。 以下のように世界地図をもとにリージョン間の Latency を可視化してくれます。 昔の記事で手動で ECS インスタンスを各リージョンに立ち上げて Latency を計測したことがありましたが、標準機能として提供されるのはとてもありがたいです。

以下のように Tokyo リージョンから Alibaba Cloud の世界中の Region との Latency も簡単に確認することが可能です。

まとめ

リージョン 内の Latency を可視化する機能は、Zone 冗長化を構成するようなシステムにおいて、Latency を意識するようなシステムの設計の際には非常に有用な情報です。 なるべく Latency が低い Zone にシステムを配置することになります。

次にリージョン間の Latency も Alibaba Cloud の CEN などの効果を事前に確認することに使えそうです。ただ、Cross-Region は 色のみで数値でのLatencyは確認できないので、定量的な Latency 数値が必要な場合は実際に CEN で接続して確認しましょう。 帯域を購入せずとも ICMP であれば無料で確認することも出来ると思います。

以上