この記事のWVDは”Windows Virtual Desktop Spring 2020 Release”が対象です。
Windows Virtual Desktop で Cisco Webex を使ってみる話です。 カメラやマイクの認識、そして最適化機能の動作を確認していきます。 なお、最適化機能は Cisco Webex Meetings 仮想デスクトップソフトウェア という名称になります。 これまでの Teams の最適化や Xoom の最適化の話を記事に書いて来ましたが、今回は Webex の最適化機能ということになります。
ただ、本日時点で最適化機能の効果を確認出来ていません。インストールを行い、ヘルスチェッカー上は VDI 最適化も有効化されているように見えてはいるのですが。 調査は継続し、原因がわかり次第記事を更新します。
目次
Webex の Windows Virtual Desktop のサポート
Webex の Windows Virtual Desktop のサポートは Cisco の公開ドキュメント Deployment Guide for Cisco Webex for Virtual Desktop Infrastructure (VDI) で確認できます。 2020年9月からサポートは開始されているようです。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-136-1024x582.png)
また、マニュアルからは仮想デスクトップには Webex app をインストールすること、物理端末には Webex VDI plugin をインストールすることがわかります。
![](https://www.cisco.com/c/dam/en/us/td/i/400001-500000/450001-460000/457001-458000/457669.jpg)
最適化無しの場合
Windows Virtual Desktop にサインインします。その後、Webex のパーソナル会議室にアクセスし、スピーカとマイクのテストを実行します。 結果、スピーカもマイクも問題なく動作しました。 また、カメラも利用出来ました。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-138-1024x594.png)
背景の変更、今回はぼかしを利用、も問題なく動作します。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-139-1024x594.png)
会議を開始すると、CPU 使用率が高すぎます の警告が表示されます。 2 vCPU の CPU リソースは 100% に張り付いています。 バーチャル背景をオフにしてみましょうとのこと。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-141-1024x582.png)
また、この状態でのネットワークトラフィックは送信方向(仮想の Windows 10 から出る方向の通信)につちえ4~5 Mbps を維持しています。 この時の Windows Virtual Desktop のデスクトップのサイズは大体ですが1920×1080 位です。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-142-1024x581.png)
バーチャル背景をオフにします。 CPU 使用率は 60% 程度に減少しました。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-143-1024x577.png)
ネットワークリソースはほぼ変わらずです。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-144-1024x579.png)
参考として、Windows Virtual Desktop のデスクトップサイズを 2560×1440 に変更すると、バーチャル背景がオフのままでも CPU リソースは 100% に張り付きます。 ネットワーク帯域は 10Mbps 位でしょうか。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-145-1024x576.png)
最適化を利用しない状態では、1920×1080 位のデスクトップサイズで CPU リソースを 60% 、ネットワーク帯域を 4Mbps 程度消費すること、バーチャル背景をオンにしたり、2560×1440 のデスクトップサイズになると 2 vCPU ではリソース不足になることも確認出来ました。 このあたりの挙動は Teams や Zoom 、Google Meet と同様の傾向ではありますが、やはり 最適化無しでのビデオ会議はリソース観点で注意が必要なことがわかります。
最適化を有効にした場合
仮想デスクトップへの Webex app のインストール
手順は英語となりますが Cisco の公開ドキュメントで詳しく説明されています。
まずはインストーラをダウンロードします。 URLはこちら。
最新の HVD Installer の Windows 64-bit をダウンロードします。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-150-1024x702.png)
または Windows Virtual Desktop の仮想の Windows 10 上で Webex にログインし、ダウンロードメニューからインストーラをダウンロードすることも可能です。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-151-1024x639.png)
以下、マニュアルに記載の情報ですが、インストールは コマンドラインから msiexec を利用し実行する必要があるようです。
Step 5 Using administrative permissions, install the app on the HVD using this command and arguments: VDI client in a persistent VDI setting— msiexec /i c:\Webex.msi ALLUSERS=1 ENABLEVDI=1 AUTOUPGRADEENABLED=0 VDI client in a non-persistent VDI setting— msiexec /i c:\Webex.msi ALLUSERS=1 ENABLEVDI=1 AUTOUPGRADEENABLED=0 ROAMINGENABLED=1 See the following table for explanations of the arguments that you can use when installing Webex in a VDI environment. |
オプションは以下の通り。
Argument | Notes | Requires admin install privileges |
---|---|---|
ALLUSERS=1 | Installs Webex in c:\program files. This is useful in a shared environment (typically non-persistent VDI).If this argument is not specified, Webex is installed in %LocalAppData%\Programs\Cisco Spark | ✓ |
AUTOUPGRADEENABLED=0 | Prevents Webex from downloading updates in a VDI environment. The argument does not affect a non-VDI environment.For VDI, this is necessary because you must use the versions that are provided on the Webex VDI download page at https://www.webex.com/downloads/teams-vdi.html.This argument must be accompanied by ALLUSERS=1 , otherwise the AUTOUPGRADEENABLED argument is ignored. | ✓ |
ENABLEVDI=1 | Enables the optimized VDI solution. (Officially supported.) | ✓ |
ROAMINGENABLED=1 | If this argument is specified, then the roaming database (spark_roaming_store.db) is stored in the user’s roaming directory (AppData\Roaming). Otherwise the roaming database is stored in AppData\Local.This argument must be accompanied by ALLUSERS=1 , otherwise the ROAMINGENABLED argument is ignored. | ✓ |
最初の ALLUSRS は、1 を指定すると c:\program files へ、指定しないと%localAppData% へインストールされます。 マスターイメージにインストールする場合は 1 を指定することになります。
AUTOUPGRADEENABLED は自動更新の指定です。 ALLUSERS=1 と併せての設定となります。
ENABLEDVDI は最適化機能の有効化、無効化の指定です。
ROAMINGENABLED はroaming database の保存先を AppData\Roaming とするか AppData\Local とするかの設定です。 移動プロファイルを利用する場合は AppData\Roaming を指定することになります。
今回のテストでは以下のオプションで起動します。
msiexec /i Webex.msi ALLUSERS=1 ENABLEVDI=1 |
セットアップウィザードが起動するので次へをクリックします。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-153.png)
前の画面で次へをクリックすると即座にインストールは開始されます。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-154.png)
インストールが完了しました。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-156.png)
今回は利用していませんが、 Control Hub の環境では組織設定から optimized VDI solution を有効化する必要があるようです。
Step 1 From the customer view in https://admin.webex.com, go to Management > Organization Settings and then scroll to VDI for Cisco Webex. Step 2 Choose a setting: Toggled on (default)—Use this setting to enable the optimized VDI solution. Media paths are optimized for VDI architecture. Toggled off—Use this setting if you want to use the non-optimized VDI solution. Media paths are not optimized for VDI architecture. |
物理端末への Webex
まずはインストーラをダウンロードします。 URLはこちら。
今回は Windows 10 Enterprise がインストールされた物理端末からのテストとなるので、 Windows 64-bit モジュールをダウンロードします。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-146-1024x693.png)
ダウンロードしたインストーラを起動し、インストールを進めていきます。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-147.png)
上の画面で次へをクリックするとすぐにインストールは開始されます。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-148.png)
数十秒でインストールは完了します。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-149.png)
最適化された状態のテスト
まず、Windows Virtual Desktop のサインアウト・サインインを行わず、テストしてみます。 Webex の app や Plug-in をインストールしていますが、多分、一度サインアウトしないと最適化は有効にならないはずです。
Webex の起動時に使用許諾の同意が求められます。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-157.png)
ログインします。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-158.png)
パーソナル会議を開き、スピーカーとマイクをテストします。 問題なくスピーカーもマイクも動作しました。 カメラも表示されていますが、左右が反転されていることが気になります。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-159-1024x639.png)
会議を開始します。 CPU リソースの使用率が60%位です。 最適化が無効な場合と違いがありません。 やはり、まだ、最適化は有効になっていないようです。 一度、サインアウトして再度テストします。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-160-1024x639.png)
再度サインインしたのですが、CPU の使用率に変化はありません。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-161-1024x702.png)
切り分けとして、仮想の Windows 10 と 物理端末の両方の OS を再起動して再度テストします。 状況は変わらず。。。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-162-1024x706.png)
ヘルスチェッカー上は VDI についてすべてのサービスのはアクセス可能です となっているのでインストールは成功しているとは思います。
![](https://www.bigriver.jp/wp-content/uploads/2021/04/image-164-1024x785.png)
今日は時間が無くなったのでトラブルシューティングはまた後日とします。
以上