Windows Virtual Desktop #83 Cisco Webex を使ってみる

この記事のWVDは”Windows Virtual Desktop Spring 2020 Release”が対象です。

Windows Virtual Desktop で Cisco Webex を使ってみる話です。 カメラやマイクの認識、そして最適化機能の動作を確認していきます。 なお、最適化機能は Cisco Webex Meetings 仮想デスクトップソフトウェア という名称になります。  これまでの Teams の最適化や Xoom の最適化の話を記事に書いて来ましたが、今回は Webex の最適化機能ということになります。

ただ、本日時点で最適化機能の効果を確認出来ていません。インストールを行い、ヘルスチェッカー上は VDI 最適化も有効化されているように見えてはいるのですが。 調査は継続し、原因がわかり次第記事を更新します。

Webex の Windows Virtual Desktop のサポート

Webex の Windows Virtual Desktop のサポートは Cisco の公開ドキュメント Deployment Guide for Cisco Webex for Virtual Desktop Infrastructure (VDI) で確認できます。 2020年9月からサポートは開始されているようです。

また、マニュアルからは仮想デスクトップには Webex app をインストールすること、物理端末には Webex VDI plugin をインストールすることがわかります。 

https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/voice_ip_comm/cloudCollaboration/wbxt/vdi/wbx-vdi-deployment-guide/wbx-teams-vdi-deployment_chapter_00.html

最適化無しの場合

Windows Virtual Desktop にサインインします。その後、Webex のパーソナル会議室にアクセスし、スピーカとマイクのテストを実行します。 結果、スピーカもマイクも問題なく動作しました。 また、カメラも利用出来ました。

背景の変更、今回はぼかしを利用、も問題なく動作します。

会議を開始すると、CPU 使用率が高すぎます の警告が表示されます。 2 vCPU の CPU リソースは 100% に張り付いています。 バーチャル背景をオフにしてみましょうとのこと。

また、この状態でのネットワークトラフィックは送信方向(仮想の Windows 10 から出る方向の通信)につちえ4~5 Mbps を維持しています。 この時の Windows Virtual Desktop のデスクトップのサイズは大体ですが1920×1080 位です。

バーチャル背景をオフにします。 CPU 使用率は 60% 程度に減少しました。

ネットワークリソースはほぼ変わらずです。

参考として、Windows Virtual Desktop のデスクトップサイズを 2560×1440 に変更すると、バーチャル背景がオフのままでも CPU リソースは 100% に張り付きます。 ネットワーク帯域は 10Mbps 位でしょうか。

最適化を利用しない状態では、1920×1080 位のデスクトップサイズで CPU リソースを 60% 、ネットワーク帯域を 4Mbps 程度消費すること、バーチャル背景をオンにしたり、2560×1440 のデスクトップサイズになると 2 vCPU ではリソース不足になることも確認出来ました。 このあたりの挙動は Teams や Zoom 、Google Meet と同様の傾向ではありますが、やはり 最適化無しでのビデオ会議はリソース観点で注意が必要なことがわかります。

最適化を有効にした場合

仮想デスクトップへの Webex app のインストール

手順は英語となりますが Cisco の公開ドキュメントで詳しく説明されています。

まずはインストーラをダウンロードします。 URLはこちら

最新の HVD Installer の Windows 64-bit をダウンロードします。

または Windows Virtual Desktop の仮想の Windows 10 上で Webex にログインし、ダウンロードメニューからインストーラをダウンロードすることも可能です。

以下、マニュアルに記載の情報ですが、インストールは コマンドラインから msiexec を利用し実行する必要があるようです。 

Step 5
Using administrative permissions, install the app on the HVD using this command and arguments:
VDI client in a persistent VDI settingmsiexec /i c:\Webex.msi ALLUSERS=1 ENABLEVDI=1 AUTOUPGRADEENABLED=0
VDI client in a non-persistent VDI settingmsiexec /i c:\Webex.msi ALLUSERS=1 ENABLEVDI=1 AUTOUPGRADEENABLED=0 ROAMINGENABLED=1
See the following table for explanations of the arguments that you can use when installing Webex in a VDI environment.

オプションは以下の通り。 

ArgumentNotesRequires admin install privileges
ALLUSERS=1Installs Webex in c:\program files. This is useful in a shared environment (typically non-persistent VDI).If this argument is not specified, Webex is installed in %LocalAppData%\Programs\Cisco Spark
AUTOUPGRADEENABLED=0Prevents Webex from downloading updates in a VDI environment. The argument does not affect a non-VDI environment.For VDI, this is necessary because you must use the versions that are provided on the Webex VDI download page at https://www.webex.com/downloads/teams-vdi.html.This argument must be accompanied by ALLUSERS=1, otherwise the AUTOUPGRADEENABLED argument is ignored.
ENABLEVDI=1Enables the optimized VDI solution. (Officially supported.)
ROAMINGENABLED=1If this argument is specified, then the roaming database (spark_roaming_store.db) is stored in the user’s roaming directory (AppData\Roaming). Otherwise the roaming database is stored in AppData\Local.This argument must be accompanied by ALLUSERS=1, otherwise the ROAMINGENABLED argument is ignored.

最初の ALLUSRS は、1 を指定すると c:\program files へ、指定しないと%localAppData% へインストールされます。  マスターイメージにインストールする場合は 1 を指定することになります。

AUTOUPGRADEENABLED は自動更新の指定です。 ALLUSERS=1 と併せての設定となります。

ENABLEDVDI は最適化機能の有効化、無効化の指定です。

ROAMINGENABLED はroaming database の保存先を AppData\Roaming とするか AppData\Local とするかの設定です。 移動プロファイルを利用する場合は AppData\Roaming を指定することになります。

今回のテストでは以下のオプションで起動します。

msiexec /i Webex.msi ALLUSERS=1 ENABLEVDI=1

セットアップウィザードが起動するので次へをクリックします。

前の画面で次へをクリックすると即座にインストールは開始されます。

インストールが完了しました。

今回は利用していませんが、 Control Hub の環境では組織設定から optimized VDI solution を有効化する必要があるようです。

Step 1
From the customer view in https://admin.webex.com, go to Management > Organization Settings and then scroll to VDI for Cisco Webex.

Step 2
Choose a setting:
Toggled on (default)—Use this setting to enable the optimized VDI solution. Media paths are optimized for VDI architecture.
Toggled off—Use this setting if you want to use the non-optimized VDI solution. Media paths are not optimized for VDI architecture.

物理端末への Webex

まずはインストーラをダウンロードします。 URLはこちら

今回は Windows 10 Enterprise がインストールされた物理端末からのテストとなるので、 Windows 64-bit モジュールをダウンロードします。

ダウンロードしたインストーラを起動し、インストールを進めていきます。

上の画面で次へをクリックするとすぐにインストールは開始されます。

数十秒でインストールは完了します。

最適化された状態のテスト

まず、Windows Virtual Desktop のサインアウト・サインインを行わず、テストしてみます。 Webex の app や Plug-in をインストールしていますが、多分、一度サインアウトしないと最適化は有効にならないはずです。

Webex の起動時に使用許諾の同意が求められます。

ログインします。

パーソナル会議を開き、スピーカーとマイクをテストします。 問題なくスピーカーもマイクも動作しました。 カメラも表示されていますが、左右が反転されていることが気になります。

会議を開始します。 CPU リソースの使用率が60%位です。 最適化が無効な場合と違いがありません。 やはり、まだ、最適化は有効になっていないようです。 一度、サインアウトして再度テストします。

再度サインインしたのですが、CPU の使用率に変化はありません。

切り分けとして、仮想の Windows 10 と 物理端末の両方の OS を再起動して再度テストします。 状況は変わらず。。。

ヘルスチェッカー上は VDI についてすべてのサービスのはアクセス可能です となっているのでインストールは成功しているとは思います。

今日は時間が無くなったのでトラブルシューティングはまた後日とします。

以上