ソフトバンク光+ 10ギガの実力測定 #2 Wifi7編

この2026年8月に自宅のインターネット回線をソフトバンク光 1ギガからソフトバンク光+ 10ギガに変更しました。 スループットの実測値などは前回記事で紹介していますが今回は標準提供されるホームゲートウェイのWi-Fi 7 の実力測定となります。

10ギガ回線導入前はプロバイダーが提供するホームゲートウェイのWi-Fi 機能は使用せず、別途 Wi-Fi 6 仕様の機器2台でメッシュネットワークを構築していました。 10ギガ導入にあたって新しいホームゲートウェイではWi-Fi 7に対応するということどこまでスループットが向上するのか、また、自宅内でどこまで電波が伝搬するかも実測値を紹介していきます。

先に結論をお伝えすると・・・、ホームゲートウェイとの間に遮蔽物が無い場合は下りは平均で約850Mbpsのスループットだったのですが、遮蔽物(居室のドア)がある居室内では約20Mbpsのスループットという結果でした。  新しいホームゲートウェイ1台で家中の無線をまかなえるなら メッシュ Wi-Fi は手放そうと思っていたのですが当面は継続利用となりそうです。

ソフトバンク光+10ギガで提供されるホームゲートウェイの製品仕様

ソフトバンク光+の10ギガプラン向けには、Wi-Fi 7に対応した新型の「ホームゲートウェイ(S)(型番:10G EWMTA1.0)」が提供されています。

製品仕様と主な特徴 ※ソフトバンク公式サイトの情報から

  • 型番: 10G EWMTA1.0
  • 対応Wi-Fi規格: Wi-Fi 7(IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax/be)
  • 対応周波数帯: 2.4GHz / 5GHz / 6GHz(3バンド対応)
  • 最大Wi-Fi通信速度: 技術規格上 最大11.5Gbps(下り最大9.6Gbpsなど環境による)
  • 有線LAN規格: 10GBASE-T対応ポートを搭載(WAN側1ポート、LAN側ポート等)
  • 本体サイズ: 約 271.5mm × 195mm × 53mm
  • 主な機能: ホームゲートウェイ機能と光BBユニット機能の一体化、メッシュWi-Fi親機機能対応

外観は以下 ※ソフトバンク公式サイトの情報から

高さが271.5mmと30cm弱あります。  ソフトバンク光 1ギガのときに提供されていたルータはより一回りくらい大きい感じです。

利用可能な Wi-Fi の仕様について

ソフトバンク光+の10ギガプランで提供される「ホームゲートウェイ(S)(型番:10G EWMTA1.0)」は、10Gbps回線のスペックをWi-Fi接続でも最大限に活かせるよう、最新の通信規格「Wi-Fi 7」に対応しています。

ここでは、本機が備えている主なWi-Fi仕様と、そのポイントを整理してご紹介します。

1. 新規格「Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)」に対応

従来のWi-Fi 6/6Eを超える次世代規格「Wi-Fi 7」に対応しています。最大通信速度の向上に加え、複数の周波数帯を同時に利用してデータを送受信する「MLO(Multi-Link Operation)」などの新技術により、遅延(レイテンシ)の短縮と通信の圧倒的な安定化が実現されています。

2. 3つの周波数帯(トリプルバンド)を利用可能

本従来の2.4GHz帯・5GHz帯に加え、電波干渉の少ない「6GHz帯」にも対応しています。

  • 2.4GHz帯: 障害物に強い周波数帯。
  • 6GHz帯: 近隣のWi-Fiからの電波干渉を受けにくく、混雑時でも超高速かつ低遅延な通信が可能。
  • 5GHz帯: 高速通信と届きやすさのバランスが良い周波数帯。

3. Wi-Fiで下り最大9.6Gbps〜11.5Gbps(理論値)の通信性能

Wi-Fi接続時でも理論上の最高速度は9.6Gbps〜11.5Gbpsクラスとなっており、10ギガ回線から送られてくる大容量データをWi-Fi側でボトルネックにすることなく処理できるスペックを備えています。

仕様から見えるポイント

Wi-Fi 7および6GHz帯に対応しているため、外付けの高価なWi-Fi 7対応ルーターを別途購入しなくても、標準提供のホームゲートウェイ1台で最先端の無線環境が構築できます。

ただし、Wi-Fi 7の実力を100%発揮するにはスマホやPCなどの受信側デバイスもWi-Fi 7や6GHz帯に対応している必要があります。次回の「実力測定編」では、実際の室内環境でどこまで速度や電波の届きやすさが変わるかを検証していきます。

実力測定

我が家での実測値を紹介していきます。

測定結果

測定は Android スマートフォン(Galaxy Z Flip7)、測定場所は3カ所で測定しました。

結果は以下の通りですが、簡単に言うと居室などドアを挟むと下りも上りもスループットがガタ落ちする結果となりました。特に下りは24 Mbps と非常に遅い結果に。 以下には紹介していませんが別の居室では10Mbpsを下回ったりそもそも電波をつかめない感じです

項目ホームゲートウェイ横リビング居室参考情報
居室
接続先ホームゲートウェイS
10G EWMTA1.0
ホームゲートウェイS
10G EWMTA1.0
ホームゲートウェイS
10G EWMTA1.0
既存のWi-Fi 6
メッシュ環境
TP-Link Deco x50
下りスループット867 Mbps856 Mbps24 Mbps204 Mbps
上りスループット1,115 Mbps574 Mbps103 Mbps108 Mbps
レイテンシ9101112
電波強度31 dbm58 dbm70 dbm53 dbpm
距離約1m約5~6m約5~6m約4~5m
遮蔽物無し無し
ただし、周り込みあり
有り
居室のドア
有り
居室のドア

測定時の前提条件

  • 測定する端末(Android, Galaxy Z Flip7)のWi-Fi スペック
    • 対応Wi-Fi規格: Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)
    • 対応周波数帯: トライバンド(2.4GHz / 5GHz / 6GHz)
    • アンテナ仕様: 2×2 MIMO
    • 最大リンク速度(理論値): 約 2,882 Mbps(6GHz/5GHz帯・帯域幅160MHz接続時)
  • 測定場所は3カ所
    • ホームゲートウェイ横:ホームゲートウェイと1mの距離、遮蔽物なし
    • リビング:ホームゲートウェイと5~6mの距離、遮蔽物なし、直線ではなくまわりこみあり
    • 居室:ホームゲートウェイと4~5mの距離、遮蔽物あり
  • 測定方法
    • 速度(スループット)測定は前回記事でも使用した Google インターネット速度テストを利用
    • 電波強度測定は Android アプリの Wi-Fi Analyzer を利用
    • 3回測定した結果の平均
  • ホームゲートウェイの設定
    • Wi-Fi に関する設定は既定値のままで変更は加えておりません
    • 考察でも触れますが MLOなどは既定値で無効で、今回の測定時も無効のままです

考察:実測データから見えたWi-Fi 7と住環境のリアル 

今回の測定結果から、非常に興味深いポイントがいくつか浮かび上がりました。

1. Wi-Fi 7(6GHz帯)最大の弱点は「遮蔽物」

ホームゲートウェイそばや遮蔽物の無い環境での圧倒的な速度に対し、木製のありふれたドアを1枚挟むだけでスループットが大きく低下しました。
これはWi-Fi 7の欠陥ではなく、新たに使用されている「6GHz帯」の物理的な電波特性によるものと考えています。
高周波な電波ほど直進性が強く、扉や壁といった障害物で急激に減衰します。 Wi-Fi 7の真価(数Gbps級の超高速)を発揮できるのは、基本的に「ルーターが見える同じ部屋の中」に限られると言えます。

さらに今回の状況についてもう少し深掘りしてみます。 居室の電波強度は70 dbmと、Wi-Fiとしてはギリギリつながるレベルですがスループットが24Mbpsまで落ちたことは何かしらそこに別の原因があるのではと推測しています。 例えば、160MHzで接続されているが強度が低いので別の帯域、例えば20Mhz、にかわり、その結果として急激なスループットダウンにつながっているのではないかという推測です。  

もう1つのファクターとしては今回の測定に利用した端末です。 Galaxy Z Flip7はチップとしての性能は悪くありませんがWi-Fiのアンテナ性能がどこまで高いのかは不明というかあまり高くないのではと考えています。 有線の10Gbpsの検証を行ったPCに高性能なWi-Fi カードを搭載しテストするとまた違った結果が出るかもしれません。 ただ、物理的な位置移動が必要なのとそもそも現在搭載しているWi-FiカードがWi-Fi 6(802.11ax)で2402 Mbps(5GHz帯) + 574 Mbps(2.4GHz帯)がMaxなので仕様が古い点で検証にならないところもあり。

2. 「最新規格の単体ルーター」より「既存メッシュ(Deco X50)」が勝った理由

興味深いことに、遮蔽物のある部屋ではWi-Fi 6対応のDeco X50(2台構成)の方が高いスループットを記録しました。
最先端のWi-Fi 7であっても、物理的な距離や壁による減衰を超えることはできません。「中継地点を作って障害物を迂回・接近して電波を届けるメッシュWi-Fi構造」の方が、住宅全体での速度安定性においては圧倒的に有利であることを再確認できました。

再確認と言っているのは今回 10ギガ回線導入前の1ギガ回線のホームゲートウェイでもほぼ同様の傾向を確認していたためです。 ホームゲートウェイとの間に遮蔽物無ければそこそこの速度は出るが、ドア1枚挟むとスループットが極端に落ち込むことです。 

3. 今後のチューニングと改善の余地

ホームゲートウェイ単体で速度を改善するために、以下の調整を試す価値がありそうです。

  1. MLO(マルチリンクオペレーション)機能の有効化: Wi-Fi 7 の特徴的な機能で複数の帯域を束ねて通信
  2. 接続帯域の固定: バンドステアリングを切り、障害物に強い「5GHz帯」へ明示的に接続してみる
  3. 5GHz帯の周波数帯域幅の調整:既定の20/40/80/80+80/160MHzから 160MHz固定に出来るかどうか
  4. 設置位置の見直し: HGWの高さを変える、周囲の金属物から離す

1つめのMLO機能が既定で無効になっていること、せっかく Wi-Fi 7 なのだからこの機能を使わないと損なわけですが、未対応の機器を考慮して無効のままとしていました。  また、自宅環境で頑張ってチューニングする気もあまりおきないということもありMLOや接続帯域幅も既定値のままとしていました。  気が向いたら検証して記事として情報共有するかも、という感じです。  遮蔽物が無い環境ならMLOでのスループット向上は検証する価値ありますが、遮蔽物ありだとスループット向上はあまり見込めそうもないというのもあまり検証のモチベーションがあがらない理由となっています。

どちらにせよ、1台のホームゲートウェイでは距離と遮蔽物という課題を根本的に解決することは難しいと考えています。 現在はホームゲートウェイと TP Link Deco を併行運用してますが、NATゲートウェイが2段構成になっている事の解消を考えると(※)ソフトバンクのホームゲートウェイの月額オプションでメッシュルータを追加することも考えています。  ただ、オプションのメッシュルータはWi-Fi 7 に未対応だったり、10G bps の処理を考えるとホームゲートウェイはパケットのルーティングに専念し無線は無線で別のハードウェアで提供する構成が自分の好みだったりするのでこの辺はもうちょっとじっくり考えていこうかなと思います。

※ NATの2段構成自体は TP-Link Deco をルータモードからブリッジモードに変更すれば解消は可能。 ただ、Decoのセキュリティ機能を利用している場合はブリッジモードだと出来ることが変わる(減る)ので注意が必要