Alibaba Cloud のSLA 【2019年9月版】

2020年7月版のSLA の情報はこちら

Alibaba Cloudのプロダクト(ECSやRDSなど)にはSLAが設定されています。様々なクラウドサービスの選定において評価指標の1つとしてあがることも多いと思います。 今回は以下内容をまとめてみました。

  • Alibaba CloudのSLAの確認方法 (日本サイト&Internationalサイト)
  • Alibaba CloudのSLA一覧 (日本サイト&Internationalサイト)

1. Alibaba Cloud のSLAの調べ方

1.1. 日本サイト

まずはAlibaba Cloudのホームページにアクセスします。 

https://www.alibabacloud.com/

下の画面はInternationalサイトです。

右上にあるメニューから“日本サイト”へ移動します。

日本サイトへ移動できました。

メニューからドキュメントへ移動します。下のほうにある”各種規約”をクリックします。

https://jp.alibabacloud.com/help

”Product SLA”があります。 ここに各プロダクトごとのSLAの記載があります。”もっと表示”をクリックします。

https://jp.alibabacloud.com/help/product/42384.htm

SLAについて定義のあるプロダクトを確認できます。 プロダクト毎のSLAを確認したい場合は、プロダクトをクリックします。

2019年9月1日時点でSLAの記載のあるプロダクトは19個です。 日本サイトでは約60のプロダクトがリリースされているのでここに記載のないプロダクトはSLAが設定されていない可能性があるのかもしれません。

1.2. International サイト

まずはInternational サイトへ切り替えます。 そして”Documentaion”にアクセスします。

一番下の”More”カテゴリにある”Legal”をクリックします。

https://www.alibabacloud.com/help

27個のプロダクトについてSLA が提供されていることを確認できます。

https://www.alibabacloud.com/help/product/42384.htm

日本サイトより多くのプロダクトについてSLAが定義されていることがわかります。 Internationalサイトの方が数が多いのは、Internationalサイトで提供されているプロダクトが多いからでしょうか? 日本サイトと比較してみることにします。 

2. SLA の一覧表

2.1. SLA の一覧表

最後にInternational サイトと日本サイトについてプロダクトごとにSLA を一覧表にまとました。 2019年9月1日時点のものです。 導入検討時や導入後も適時、公式ドキュメントで確認してみてください。

International
サイト
日本
サイト
Anti-Bot99.95%
Anti-DDoS 99.99%
Anti-DDoS Premium99.9%
Anti-DDoS Pro99.9%
Application Real-Time Monitoring99.9%
ApsaraDB for MongoDB99.95%99.95%
ApsaraDB for RDS99.95%99.95%
ApsaraDB for Redis99.95%
ApsaraDB HybridDB99.9%99.9%
ApsaraVideo for Media Processing99.9%
Blockchain as a Service99.80%
Cloud Enterprise Network 99.95%99.95%
Content Delivery Network (CDN)99.9%99.9%
Data Lake Analytics99.99%
Data Transmission99.95%99.95%
E-HPC 99.9%99.9%
Elastic Compute Service (ECS)
(Single-zone)
99.95%99.95%
Elastic Compute Service (ECS)
(Multi-zone)
99.99%99.95%
E-MapReduce Service (EMR) 99.95%99.9%
Enterprise Distributed Application Service (EDAS)99.90%
Express Connect 99.95%99.95%
Image Search99.5%99.5%
Log Service99.9%
NAT Gateway99.95%
Network Attached Storage99.9%99.9%
Object Storage Service (OSS)99.9%99.9%
Realtime Compute95%95%
Server Load Balancer (Single-zone)99%99%
Server Load Balancer (Multi-zone)99.95%99.95%
Table Store99.9%99.9%
Web Application Firewall (WAF) 99.95%
Website Threat Inspector99.95%

2.2. 日本サイトとInternational サイトの違い

表にすると色々なことがわかってきます。 一言でいえば、「日本サイトとInternational サイトはイコールではない」ということです。 例えば以下の差異がありました。

  • 日本サイトでしかSLAを提供していないプロダクトがある(ApsaraVideo,NAT Gateway)
  • International サイトでしかSLAを提供していないプロダクトがある(Redis,BaaS,WAF)
  • SLAの提供内容に違いがあるプロダクトがある
    • ECS はInternational はMulti-Zone の場合99.99%、日本は99.95%で統一
    • EMR はInternational は99.95%、日本は99.9%

3. まとめ

他のメガクラウドでもプロダクトごとにSLA があるもの、ないものはあります。また、SLA の対象となるには利用方法に条件が設定されているものもあります。 Alibaba Cloud でも同様に利用するプロダクト毎にドキュメントを確認し、SLAがあるのかどうか、また、その内容を確認することは必須です。

一方、クラウドを利用するということはリージョンやゾーンレベルでどんなタイミングで止まってしまっても、極端に言えばクラウド事業者からプロダクト提供が停止されてしまっても、本来のサービスや事業を継続できるようなシステムを設計し構築することが基本指針となっています。 先日のAWSの障害においてもAWS 側の問題を問う声よりも止まらないシステムを設計・構築をするべきだったという意見が多かったように思えます。

最後に、Alibaba Cloud に関するノウハウとして、日本サイトとInternational サイトという契約先の違いの中でSLA の提供内容に差異があります。 International サイトの情報をただの英語訳のドキュメントと思わずに、必ず日本サイトの情報を確認するようにしましょう。 

以上