Microsoft Entra ID P2 のライセンスをユーザに割り当てる際に発生したエラーに関するトラブルシューティングの記録です。 その解決策となるユーザープロパティの usage location (利用場所)の設定が必要となる理由も解説。
目次
原因と解決策
最初に結論。
Entra ID のユーザにライセンスを割当て時に”License assignment cannot be done for user with invalid usage location.”が発生する原因はユーザーのプロパティにusage location (利用場所)の情報が未設定のためです。 設定すれば解決します。
usage location (利用場所)の設定が必要な理由
利用場所(Usage Location)の指定が必須となっている最大の理由は、各国の法律・規制の遵守(コンプライアンス) と 提供サービスの法的制限 です。主な理由は以下の4点に集約されます。
国や地域によって、暗号化技術の利用制限やデータの取り扱いに関する法律が大きく異なります。 例えば、特定の国(米国の制裁対象国など)では特定のクラウドサービスや高度な暗号化機能(Entra ID P2の各種機能を含む)の提供が法律で禁止されています。Microsoft が法的なリスクを回避し、規制を遵守するために「誰がどの国でサービスを利用するか」を確定させる必要があります。
EUの GDPR(EU一般データ保護規則) などを筆頭に、国・地域ごとに個人データ転送や保管場所に関する厳格な基準が定められています。利用場所を設定することで、そのユーザーのデータ管理がどの地域のプライバシー法に準拠すべきかをシステム上で識別しています。
Microsoft 365 などのSaaSライセンスは、利用する国や地域によって適用される消費税や付加価値税(VAT)の計算方法が変わります。直販やリセラー経由を問わず、課税ルールを正しく処理するための識別情報として利用場所が参照されます。
すべての Microsoft サービスが全世界で一律に提供されているわけではありません。例えば、Teams の電話機能(Calling Plan)や特定国向けの追加機能などは、利用可能な国が限定されています。ライセンスを割り当てる段階で「そのユーザーがいる国でその機能が有効化できるか」をシステムが自動判定するために使われます。
usage location (利用場所)の設定が必要とわかる公式ドキュメントも紹介します。
参照:Microsoft Learn – Microsoft Entra ID でライセンスを割り当てる / Microsoft Learn – Assign licenses to users
問題が発生の状況
Microsoft 365 管理センターから Entra ID P2 ライセンスの割当てをユーザに行う際にエラーが発生。
”ライセンスの割当て”をクリックし

割り当てるユーザを指定し、”ライセンスの割り当てる”を実行する

”2件の割り当てに失敗しました”となり失敗する。

解決の手順
以下の手順を実行し、利用場所を設定します。
- Microsoft Entra 管理センター にサインインします。
- 左メニューの [ユーザー] > [すべてのユーザー] を開きます。
- エラーが出たユーザーを選択します。
- [プロパティ] タブ(または「プロパティの編集」)を開きます。
- [設定] または [設定情報] の項目にある 「利用場所(Usage location)」 を探します。
- ドロップダウンから 「日本(Japan)」 などの適切な国を選択して [保存] します。
- 再度ライセンスの割り当てを実施します。
以下の設定です。

上記のusage location (利用場所)の設定後、再度 Entra ID P2 のライセンスの割り当てを実行し、問題なく割り当てが完了しました。

以上

